◆ 水辺の忍者 アメンボ

    アメンボは昆虫

田んぼの周りや農業用水路の傍らを歩いていて、集団で水面をスイスイと泳ぐミズスマシを見つけます。ミズスマシは別名で、本来はカメムシ科の仲間「アメンボ」が正しい名前です。アメンボの名前の由来は、体臭が飴のような匂いがあり、体系が棒のように見えることから「飴棒(アメンボ)」と呼ばれるようになったということです。 

 小さなころからアメンボといわず、ミズスマシといっていたから、恥ずかしい話ですが、飴棒(アメンボ)とは知らなった。アメンボは別名、水澄(ミズスマシ)のほかに水蜘蛛(ミズクモ)・川蜘蛛(カワクモ)・水馬(スイバ)・跳馬(チヨウマ)・アシタカなどの呼び名が沢山あります

 アメンボの体にはロウのような物質があり、足は細く濡れにくい毛で覆われて軽いから、水面に浮かぶことができ、4枚の翅があるから飛ぶこともできます。足は4本ね見えるけれど、正しくは6本ありカメムシ科の昆虫です。

 面白いことには、他の昆虫と違って水上生活なので、アメンボ以外の昆虫が水面に触れて体の一部を濡らして動けなくなるのと違っています。体が濡れて水面に落ちた昆虫やハエ・アリなどを、のこぎりのように鎌になった前足で取り押さえて、針のように鋭くとがった口先を獲物の体内に突き刺して体液を吸いとります

   アメンボの特徴

 アメンボは熱帯から亜熱帯まで広く分布して、小さな水たまりや川・湖・沼・海までいろいろな水面に住んでいる昆虫で、10種類以上があり、これはどのアメンボと決めつけることは難しいといわれています(一般的にアメンボは世界的に約500種類、日本では約200種類確認されているともいわれています)。

 アメンボをよく観察すると、中足と後ろ足に細い毛があり、体内から油が染み出ていることから水をはじき、水面張力で水に浮かぶことができ、足を動かして水面を自由にスイスイと身軽にすべるように移動します。

 アメンボには不思議な能力と嗅覚があるようです。仲間同士では波の信号を送り求愛したり、コミューニケションを行ったり、集団で獲物を捕獲したりします。また、普段の生活で生きるための天性的なものがあり、足の先端にある細い毛で、水面のわずかな振動をも感知して、素早く獲物に近寄って捕獲する技です。

 アメンボは肉食性です。その食餌は、水面に落ちた昆虫やハエ・アリ・ウンカなどのほかに、死んで水面に浮かんでいる魚まで食べるそうですから、見た目よりも獰猛なんでね。

     アメンボは身軽

 アメンボが水面を自由に移動したり、飛ぶことができるのは体重がとても軽いからです。その体重は、約30mg~約40mgという軽さだからです。軽い体と特殊な足があるから、水面をスイスイと移動するときに、一番長い中足をオールのように巧みに使って水をかき、後ろ足で舵をとりながら水面を滑るように移動できるのです。

 また、飛ぶことができるのは、4枚の翅をもっているといいましたが、この4枚の翅で、水を求めて500mくらい飛ぶといわれています。普段はあまり遠くへは飛ばないそうです。遠くへ飛ぶのはいいですが、その途中で天敵である鳥に食べられてしまう危険があります。

  アメンボが飛ぶ理由は、繁殖のために相手を探すこと。春先で新しい生息場所を見つけること、越冬場所の確保、さらに、水を求めることではないでしょうか。一度、飛ぶところを見たいものですが、なかなかそのような機会に巡り会わないようです。

   ★ アメンボの活動期

  アメンボの活動期は、春先から秋にかけてで、羽化してから1ヵ月ほどで、繁殖のための交尾ができ、産卵が終わると寿命が尽きてしまいます。短命で哀れな1年かな、と思われますが、冬までに産卵が終わらなかったアメンボは、陸に上がって落ち葉などの下で越冬します。アメンボの脱皮は1年に4回して成虫になります。脱皮も大変なことでう。

 

 

 

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